2014年 06月 17日
すべて写真になる日まで / 増山たづ子 at IZU PHOTO MUSEUM
昨日は平日企画!運転してくださったゆうじさん、ありがとうございました。
念願かなって、IZU PHOTOで開催中の展示「すべて写真になる日まで / 増山たづ子」を見ることが出来ました。
結論から言ってしまうと、自分が今まで見た写真展の中で、一番素晴らしいものでした。
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太平洋戦争で夫と弟を亡くしたあと、生まれ故郷の徳山村に農業・民宿を営んで生活していた増山さんですが、
その村が、ダムの建設地に決まってしまいます。「国が一度やると思ったことは、戦争もダムも必ずやる」ことを
知っていた増山さんは、自分の愛するふるさと、そして、まるで一つの家族のように生活していた村人たちを
撮影することを始めます。カメラやフィルムの使い方など知らなかった増山さんの残した写真は、何と10万枚!
600冊のアルバムに、隙間なく貼り付けられています。実物が展示されていたのですが、物凄いスケールでした。
デジタルカメラが普及している今と違い、一枚一枚が現像・プリントされた写真というのが凄い。
(年金のほとんどを使っていたそうです。)
そして、彼女はただ写真を撮っていたわけではありません。一枚一枚、
写真の裏に書かれていた愛情溢れるコメントには、本当に涙がこぼれました。
村人だけではなく、木や草花の一本一本まで、彼女が声をかけて写真を撮っていたことがわかります。
増山さんが使っていたのは、「ネコが蹴っても写真が撮れる」という「ピッカリコニカ」。
だれでも簡単に写真が撮れる大衆機です。写真に大事なのは高級なカメラでもレンズでも、
テクニックでもなく、被写体への愛情であるということに、改めて気付かされます。
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「すべて写真になる日まで」。
とても考えさせられるタイトルの、本当に凄い写真展です。
今、徳山村も、カメラばあちゃんこと増山さんも、すべてが「写真になって」しまいました。
残されたその写真を見て、皆さんはどんなことを感じるでしょうか。
写真を撮る方にもそうでない方にも、是非見て欲しい、そんな展示でした。
(7月27日まで開催中です。IZU PHOTOのページはこちら!)
でもアクセスがそうとう不便ですね。。。
といいつつ、カタログを見比べてる自分もいるのですが。
見に行ってみたいです。
写真の数に驚いたけど、
それぞれにコメントがあることにもっと驚いたです。
平日企画ありがとうございました。
ますます観に行きたくなりました。