アゼです。今回はギコギコトンテンカンなローテクではなく、少しハイテクにEFレンズ絞り機「EF-おしぼり君」を製作してみました。写真とか撮影とかあまり関係してないので例によって興味ない人はスルーでお願いします。(今回は特にズレててごめんなさいです)
※EF-おしぼり君...Kenkoあたりが付けそうな安易なネーミング...洗濯機みたい。ちなみに輸出用(笑)の英名は「EF-Closer」です。
私のメインカメラはSonyのα7です。それにマウントアダプターを介してフィルム時代のレンズを装着して撮影を楽しんでいます。α用のレンズは持ってませんので、ピントはマニュアル、露出は絞りこみ測光のカメラ任せです。ライカレンズやそれこそバケペンやハッセル等中判カメラのレンズも利用できます。(もっとも中判レンズは普通の一眼レフでも利用できますけど)
バケペンのFishEyeをつけたα7と
ハッセルのPlanerをつけた似非フィルムFinePix
私のフィルム時代はメインカメラがEOSでしたので今でも数本のEFレンズが手元に残っています。手持ちのEOSデジで使う分には問題なく使えるのですが、EFマウントは絞りが電子制御な為マニュアルで絞りを変更することができず、α7では開放でしか使えません。実用本意なので高価なものは無くそれほど勿体なくはないのですが、今でも時々使いたいと思うレンズにSIGMAのMacro105mm/f2.8があります。マクロなので開放だけではピントが浅く、せめてF4かf5.6まで絞る必要があります。そこで改造してEFマウントのレンズに絞りつまみを取りつけることができないか考えました。
SIGMA105mmf2.8MACRO
とくに名レンズじゃないけど私の持ってる100mm系等倍マクロはこれだけ
EOSユーザーの人は知ってるかもしれませんが、EFレンズはボディの絞りこみボタンを押した状態で電源をいれたままレンズを外すと、設定値に絞りこまれた状態で外すことができます。この裏技を利用すればEFレンズを任意の絞りでα7で利用することも可能ですが、その為だけにEOSボディを持っていくことになり、それなら素直にEOSで撮ればいいじゃんと自ツッコミでネタが自滅してしまいます。
最初は物理的に絞りを動かしているモーターの軸を回すつもりだったんですが、絞りを制御しているのはステッピングモーターなので電気信号を送らないと少々の力ではピクリともしません、仕方なくステッピングモーターの回線に割り込んでマイコンで直接信号をモーターに送る方法を検討していたところ、ArduinoというマイコンでEFレンズを制御している情報を見つけました。そこで、市販のEFマウントの接写チューブを使ってEFレンズの絞りを制御するツール「EF-おしぼり君」を思いつきました。これならEOSボディが無くても絞りを変更することが可能です。絞りを変更するためにわざわざレンズを外さなくてはならないけどレンズを改造する必要もないので手持ちのEFマウントレンズがすべて無改造で利用可能になります。
製作のメインとなるArduinoというマイコン、アマゾンで買えます。開発用にArduino互換品と実装用のマイクロチップ化されたArduino Nanoを買いました。スイッチやLED等細かい部品は手持ちのものを利用することにしたので総予算は千円弱です。他にベースとなるEFマウントの接写チューブが必要ですがこれもプラスチック製の安物をジャンク箱からリサイクル利用します。電源はスマホ用のUSBバッテリーが使えます。手間はかかりますがお財布には優しい工作です。(先月FinePixでお金使いすぎたので自重しています)。
....製作過程は絵的につまらないので端折ります....
ネットの情報を元にマイコンのプログラム(Arduinoの場合このプログラムをスケッチって呼びます)を書きArduinoに転送、試行錯誤の末、なんとか絞りを制御することができるようになりました。
「EFおしぼり君プロトタイプ」完成!!
部品点数を減らすためにボタンは1つのみ、1回押すごとに1/3段絞られて長押しで開放にできます。
EFレンズの命令CODE等をCANONは公表していません。どっかの誰かがEOSをハッキングしたものを利用させてもらっているのでその情報を元に私が作成したスケッチはここでは公表できません。私がみつけることができたぐらいですので、ググれば簡単に見つかるはずです。(大元はロシア語だったりします)
しかしながら問題発生!!(予想はしてたんですが)
製作時は小ぶりな純正EF40mm/f2.8で動作確認していました。
手持ちの純正レンズは勿論、TAMRON製、TOKINA製のレンズでも問題なく動きます。ところが、当初の目的であったSIGMA製の105mmMacroで動作しません....絞り制御信号を送っているはずなのに時々フォーカスが暴走します。そう、昔のSIGMAレンズってデジタル非対応とかいって最近のEOSデジだと使えなかったりするんですよね...(私のEOSデジだと使えたのでいけるかと思ってたんですが、私のは初期だから大丈夫なのかな)。当時SIGMAでは該当製品のROM交換サービスとかやってんですが既にそんなサービスは終わってます...よくよくネットで調べてみるとどうやらEOSのデジが出始めの頃、EFレンズの絞り制御信号に変更があったとのこと、故にそれ以前のEFマウントレンズは不具合が出ると...いやいや、じゃぁなんでSIGMA製だけダメなんだ?
何故SIGMA製だけダメなのか?私なりに一つの解答に至っていますが、それが正解とはちょっと思えないのでここでは書きません。誰か知ってたら教えてください。
もうやめよっかなぁ....と思ったんですが、負けたみたいで悔しいので、絞り制御信号の変更内容をダメもとで調べてみました。すると自力でSIGMAの交換用ROMを作ろうとして断念した人のブログを見つけることができ、そこにその人が解析した旧EOSと新EOSの絞り制御信号がでていました。(素晴らしい、これ自分でやるのは大変すぎる)
そのデータをありがたく参考にさせてもらってスケッチを手直し....
SIGMA製でも純正でも絞り制御成功!ついでにレバースイッチに変更して絞る/開ける両対応としました。
実機用のArduino-nanoに書込んで配線してケーシングして....
「EF-おしぼり君」完成!
これをカメラバッグにいれておけばEFレンズをα7で絞りこんで使う事ができます。もの凄くニーズの低いツールですが私的にはOKです!
カチャカチャすると絞りが動く、それだけで何故か楽しい!
自己満足万歳!!
最後に件のマクロレンズで撮った写真でも載せようかと思ったんですが、作品写真は他のみなさんがアップしてるんでいいかなと...(ダメか?)
市販で電子信号変換機能ついてるEOS-NEXマウントコンバータあるんですよね。それ使えば絞りは勿論ピントもボディ側で制御できるようです。まぁ買う気になれない金額ですが...それにSIGMAの古いレンズには多分対応してない筈(負け惜しみ?)。