“死は誰にでも必ずやって来る。普段は意識しないけれど、決して忘れてはならない。”今回2回目のTOP コレクション メメント・モリと写真に行ってきました。
1回目にこの写真展を観た時は写真作品の素晴らしさに圧倒されっぱなしでしたが、今回は写真家の魂をじっくりと見させて頂きました。死を真正面から見るのではなく少し斜に構え、ユーモアを交えて見る側がどう捉えるかと言った写真家の思惑を感じました。アラーキーの新婚写真は幸せの絶頂のはずの新婚の花嫁の暗い表情。幸せな時も突然消えうることもあり得るという事を少し皮肉をこめて表現したのでしょうか。とても刺激的で一度めは思わず目を逸らしてしまった、藤原新也氏の写真集”祈り”の中の写真は宗教観もあると思うのですが、犬に食べてもらう事で人の死を大切にしているのではないかと思わずにはいられませんでした。
どの作品も心に響く写真ばかりでしたが今回、写真集も購入した小島一郎氏の写真はとても心を動かされました。昭和30年代、青森の極寒の中で過酷な労働をする農家の方々を写したものです。雪に閉ざされた貧しい集落での生活は常に生と死と隣り合わせな環境であったであろうと、お地蔵様に書かれた子供達のものと思われる名前がそう想像させます。屈託のない明るい笑顔の子供達と祭り、美しい田園風景の写真との対比が一層、生きることへの逞しさと死ぬことへの大らかな受容を感じました。
写真を見る会、開催時に持っていきます。企画をして頂いたmakiさんありがとうございました。